1)未知家族   
 


家族って一体なんでしょう?
核家族化が始まる70年代、
地縁的社会は高度成長と共に薄れてゆくのを感じました。
80年代にはフェミニズムと呼ばれる女性の自立運動が起り
「ニューファミリー」という新しい家族スタイルが提唱されました。
これはある種批判的なニュアンスも含めながら「友達家族」とも呼んでいました。

しかし90年代に入りバブル後は「崩壊家族」という深刻な問題を抱えてしまいます。
多くの知識人は、この崩壊家族の原因の一つに「友達家族化」にあると考え
父親不在で子どもが権威を恐れなくなり崩壊させたとみる人も少なくありません。
子どもは甘やかすなとか家庭での躾けを厳しく等もっともらしい意見が輩出し
家父長制の復権や見直し論が最近堂々と語られるようになってきました。
これが21世紀の家族スタイルなのでしょうか?

「友達仲良し家族」なんてのもあまり信じられませんが
昔の家族制度が良かったというのもどうかと思います。
ここではとりあえず「未知家族」としときます。

 
                  2)子どもと親の関係  
 


邦画作品に「バトルロワイアル」というのがあります。
大人が本気になったら子どもだろうが平気で殺し合いをさせるという設定で
最初の作品が封ぎられた時には社会問題まで起きました。
個人的にはどうでもいい作品のようでしたので観ていませんが
子どもvs親(大人)の権力闘争が背景のあるのかなと思いました。

親を国家に見立てるなら子どもは民となります。
日頃から国家主義を標榜している人にとって
民(子)はまさに国(親)に仕える存在であって
「子どもの権利」などもっての外となるんでしょう。
私は主義というほどではありませんが民主主義を支持しています。
その基本理念である主権在民を家庭に置き換えてみますと
「主権は子に在る」となりません?
子どもが授かった時の感動 、ハイハイからヨチヨチになった時の喜び
その時期の親は誰もが主権を子に託したかのように仕え愛情を注ぎます。
しかし、学校に行くようになる頃、年齢や時期は各家庭によって差があるものの
大抵の親は子を主権の座(家庭の中心)から追いやります。
途中から梯子を外す位なら
生まれた時から主(親)に仕えるよう躾ければよいのです。
そしたら主(親)が望むような従順で大人しい子が育つでしょう。

私の子どもと親の関係を一言でいうなら
一期一会です。






 
                  3)女性と男性の役割  
 


我が家ではその全てが逆転しているような家庭であり家族ですので
私はお父さんという役割を
ビンボーだけど遊ぶ時間だけはたっぷりあるヒマなお父さんというスタイルで
16年間担当しています。
ですからスケジュールは仕事優先から子ども優先に切り替えました。
ある時クライアントから「昼から打ち合せがあるので来て欲しい」と電話が
ありましたが私は「すみません先に用事があるもので…」と返事しました。
そしたら 「何の用事かね」と聞く必要もない事を問うので
「娘と遊ぶ約束をしているもので…」とつい答えてしまいました。
「君は仕事の打ち合せより子どもを優先するのか」と
怒った口調になりましたので 私もカチンときて
「当然でしょう約束は娘の方に対して先にしたんですから」と
言い返しました。まぁ本来
ならばクライアントさんが聞いた時
別の理由を言えば怒らなかったと思いますが、
子ども優先と決めた以上はこの位の覚悟はいるのかなという話。

書店では「金持ち父さん」類いの本が所狭しと並んでいるようですけど…。
金があってヒマもあれば最高ですけど
子どもと遊ぶ時間のないお父さんは私自身が嫌なので
稼ぎが少なくなろうが子どもと遊ぶ時間を大事にしました。

しかし、 ハルカ社長も高校生になりましたので
そろそろ又別なお父さん役をしようかと思うこの頃です。
役割とは「役」を本気で演ずる事なり